
甘栗の魔法の秘密
独特の風味と適度な甘味で人気のある甘栗が、釜の中で黒い小石と共に、ゆっくり炒られているのは、街でよくみかける風景です。
炒る温度は約500℃以上といわれ、家庭のフライパンの温度350℃〜400℃位と同程度の温度です。もしご家庭で試されたら売っている甘栗と同じようにできるでしょうか。
きっと食べられるようになる前に、焦げたり、はれつしたりして悪戦苦闘はまぬがれません。おいしく甘栗を仕上げるには熱が栗の表面や中を焦がしたり、栗の中の空気が膨張してカラを破らないうちに、栗の中がふっくら焼きあがっていなければなりません。この魔法をやってのけるのが釜の中の小石なのです。
充分に熱くなっている小石から出る輻射熱は、栗の表面を通り越して、栗の中味(深部)に直接熱が加えられ、そしてこの魔法の輻射熱の正体が遠赤外線なのです。
釜の火が小石を熱し、熱せられた小石から出る輻射熱の中に、遠赤外線が生まれ、遠赤外線は栗の表面の固い皮や蛋白質、澱粉層を突き抜け、栗の中心部から焼き、あのおいしい風味がみごとにパックされた甘栗が出来上がるのです。また土なべ料理などもこの遠赤外線浸透作用を利用したものです。
このように、遠赤外線の働きはそれとは知らずに昔から生活の知恵として生かされてきたようです。

赤外線は太陽光線の中でも、最も深く皮ふや皮下組織に浸透することがわかっています。
赤外線はその波長により近赤外線、中間赤外線、遠赤外線に分けられますが、中でも遠赤外線の透射エネルギーが皮下組織への浸透作用が一番高くなっています。
先の甘栗の場合は、熱くなった小石がセラミックの役割を果たし、人工的に遠赤外線が放射されたということになります。
遠赤外線の波長
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